物理的わけあり物件とは

土地や建物に重大な欠陥がある物件を指します。たとえば、築年数が古く、雨漏りやシロアリ被害、老朽化などによる主要構造部の腐食等がある物件などです。

また法令が遵守されていない建物が建築されているなど法令的わけあり物件なども含まれます。

以下に物理的わけあり物件(法令的わけあり物件含む)の事例を記載しております。

●築古年

建築物の建築年数が古い物件のことを指します。

現行法令では建築基準や耐震基準が適合していない物件が多くみられます。

以下のようなケースが懸念されます。

①安全基準を満たすために補強工事や改築が必要になるケース

②給排水管の老朽による水漏れ

③雨漏りやシロアリ被害、老朽化などによる主要構造部の腐食

中古物件として売り出すも、修繕費用に多額の出費が必要のため、買い主の予算を大幅にオーバーすることが多く、検討対象から外れてしまうことが多く、また、建て替えるにしても解体更地費用が余分にかかるため検討対象から外されることも多い。

近年、建物や周囲の雰囲気によってはレトロ感のある物件などはリノベーションをして利用される方も増えてきています。

●廃墟

最近相談ケースが増えています建築物や施設が使用されていない状態で放置され、荒れ果てた状態の物件。

以下のケースにより廃墟になっているケースが相談として多くあります。

①所有者が遠隔地に居住して物件管理ができないケース

②跡地の利用方法が難しい立地や多用途での転用が難しいケース

③所有者が財務破たんしたのち、購入者が現れず処理が進んでいないケース

④建築中や完成間際に事業が破たんし、事業承継が難しく放置されているケース

⑤解体費用がかかるため放置するケースや、解体更地による固定資産税上昇を防ぐため放置するケース

実際に現地はジャングルのように草木も荒れ放題で建物の中に入るのも一苦労の物件が多くあり、建物がいつ倒壊してもおかしくない非常に危険な物件もございます。

●変形土地

変形地とは一般的に三角形や旗竿地、傾斜地、段差地、狭小間口地などの物件を言います。

四角形の平坦な土地を基準に作られたハウスメーカーの規格型住宅が入りづらく、建物のコストが上がる傾向にあります。建物の形状が土地の形状に左右されてしまい、思うような間取りが入らないケースが想定され、需要減による評価減や査定減の傾向があります。

●変形間取り

以下のケースなどの一般受けしない変形間取りになり、需要減による評価減になるケースが多く見受けられます。

①土地の形状に影響され変形間取りになったケース(例:三角地の狭小物件で鋭角の部屋ができる)

②個性的な感覚による一般受けしにくい注文建築の間取り

③コンバージョン(用途変更)による変形間取り(例:倉庫や事務所・店舗を住宅に改築)

④居住空間以外のスペースの方が広い間取り(メイン居室よりもロフトやバルコニーが広い)

変形間取りはデッドスペースで家具の配置が制約されたり、用途変更で無理やり水回りを設置したりすることにより、使い勝手がよくない面があり、需要が減ることから長期的に成約しないことがあります。

●設備故障(設備未設置)

設備が故障したまま修理していない物件や必要な設備が未設置の物件

以下のようなケースがある。

①風呂・トイレがない。または共同(賃貸物件に多い)

②給湯器や湯沸かし器が未設置のためお湯が出ない。

③床暖房設備やソーラーシステムが修理費が高額のため使用できない設備として引き渡されるケースもある。

中古物件の売買で現状引き渡しの場合、付帯設備を買主が修理をしなければならないケースも多く見受けられる。

修繕費用や設備設置に出費が必要のため、買い主への心象がよくないため、検討対象から外れてしまうことが多い。

●欠陥住宅

欠陥住宅とは、建築基準法や関連法令等を満たしていない住宅で通常有すべき安全性が欠ける住宅のことを呼称します。また、設計図や構造図、設備配管図どおりに施工がなされていない通常の居住に支障をきたす住宅のことも指します。

メディアで大きく取り上げられたり、検査が厳しくなってきたため相談は減少傾向にあります。

※ここでいう欠陥住宅には経年変化や自然劣化に伴う不具合のある住宅は含みません。

●違法建築

建築基準法や関連法令や条例に違反して建築された建築物のことを指します。以前は、建築確認許可を取得した後に検査済み証を取得しないケースが多々見られ、建築確認許可後に申請と異なる部分を増築したりするケースが見られましたが。近年はほとんどが検査済み証を取得されるため、検査済み証を取得後に増改築等により、建蔽率や容積率などが法令を超過したりして違法となってしまった建物などをいいます。中古住宅などを取得後、増改築やリフォームにより違法建築物となっている場合もあります。

行政による是正指導がある場合もありますし、建替え時には同等規模の建築物は建てられないケースもあります。また、買主がローンを組む場合、借り入れできる金額に制限がかかる場合もあります。

●建築不可

建物を建築するには、法令上、大きく2点のクリアすべき事項があります。

①特定行政庁に接道道路が建築基準法上の道路と認定された道路であること。

②上記①の道路に接道(間口)が2m以上接していること。

※その他にも建築する建物等により諸々の規定がございます。

上記の最低限2項目をまずクリアしなければ建物を建築することができません。

意外にこの要件をクリアできずに建物が建築できない土地があります。旗竿地の物件で接道部分は2mあるのですが、途中の部分で2mを切っていることにより、建築許可がおりなかったり、道路だと思っていた部分が建築基準法上の道路ではないなど、実際に建物を建築しようと動き出した時に分かることが多くあります。

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