サナエノミクスと不動産市場:わけあり物件に光は差すか

2025年現在、日本経済は新たな局面を迎えている。高市早苗総裁が掲げる経済政策「サナエノミクス」は、積極財政と国家主導型資本主義を軸に、危機管理投資・成長投資を大胆に推進する姿勢を示している。この政策は、金融緩和の継続とインフレ容認を前提に、国土強靱化やエネルギー安全保障、地方再生など多岐にわたる分野への資金投入を想定している。こうした動きは、不動産市況にどのような影響を与えるのか。そして、これまで市場の周縁にあった「わけあり物件」にも変化をもたらすのだろうか。


まず、不動産市場全体に対する影響を見てみよう。サナエノミクスの積極財政は、公共事業の拡大を通じて建設需要を喚起する。特に防災インフラや医療施設、交通網の整備は、周辺地域の地価上昇を促す可能性が高い。さらに、金融緩和の継続により住宅ローン金利が低水準に保たれ、個人の住宅購入意欲や投資用不動産への資金流入が維持されるだろう。インフレ期待が高まる中、実物資産としての不動産が資産防衛の手段として再評価される動きも見逃せない。


こうした市況の活性化は、これまで敬遠されがちだった「わけあり物件」にも新たな可能性をもたらす。心理的瑕疵や法的課題を抱える物件は、通常の市場では流動性が低く、価格も抑えられがちだ。しかし、投資家の目が利回り重視へとシフトする中で、再生・転売対象としての魅力が増している。特に地方都市では、サナエノミクスによるインフラ投資が地域価値を底上げし、周辺のわけあり物件にも再評価の機運が生まれる可能性がある。


また、政策の一環として空き家対策や相続不動産の流通促進が進めば、法整備や規制緩和によって取引のハードルが下がる。これにより、これまで市場に出回らなかった物件が流通しやすくなり、営業現場では新たな提案機会が生まれるだろう。特に関西圏、なかでも大阪市内では、再開発や交通網整備が進むことで、わけあり物件の資産価値が見直される局面も想定される。


サナエノミクスは、単なる景気刺激策ではなく、構造的な市場再編を促す可能性を秘めている。不動産業界においては、従来の評価軸にとらわれず、政策の方向性と地域特性を踏まえた柔軟な戦略が求められる。わけあり物件に対しても、「再生可能資産」としての視点を持ち、営業資料や資産シミュレーションの設計に活かすことで、これまでにない価値創出が可能になるだろう。

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